エグゼクティブサマリー(2026年7月17日時点)
日本銀行は2026年6月に政策金利を1.00%へ引き上げ、金利のある時代が本格化しています。これに伴い、住宅ローンの変動金利は一部のネット銀行で既に上昇し、他の金融機関も年内には追随する見込みです。固定金利は長期金利の上昇を受け、特に「フラット35」で3%台に突入するなど高水準で推移しており、変動金利との差が過去最大級となっています。今後も日銀は緩やかな利上げを継続すると予測されており、住宅ローン利用者や新規検討者は、金利上昇リスクへの備えとして、家計のストレステストや繰上返済、金利タイプの見直しなどを検討することが不可欠です。
1. 主要銀行(ネット銀行、メガバンク、地方銀行など)の最新金利(変動・固定)の比較・特徴
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2026年7月現在、日本の主要金融機関の住宅ローン金利は、日本銀行の金融政策変更を受け、変動金利と固定金利で異なる動きを見せています。
ネット銀行の金利動向
ネット銀行は、一般的にメガバンクよりも競争力のある金利を提供し、特に変動金利で顧客獲得競争を繰り広げてきました。しかし、2026年6月の日銀利上げを受け、一部のネット銀行では変動金利が既に引き上げられています。例えば、PayPay銀行は2026年7月から変動金利の基準金利を引き上げました。
- 変動金利の例(2026年7月時点):
SBI新生銀行やPayPay銀行は、低金利に加え、充実した保障や柔軟な審査体制も評価されています。
メガバンクの金利動向
メガバンクの変動金利は、2026年7月時点では多くの行で前月から据え置きとなっていますが、日銀の利上げを受け、他の銀行も2026年8月から11月にかけて段階的に金利を引き上げる見込みです。固定金利については、三菱UFJ銀行やりそな銀行が10年固定金利を引き上げた一方、みずほ銀行が引き下げるなど、動きは混在しています。
- 変動金利の例(2026年7月時点):
- 10年固定金利の例(2026年7月時点):
地方銀行の金利動向
地方銀行の金利は、地域性や各行の戦略によって様々ですが、メガバンクやネット銀行の動向に追随する傾向があります。詳細な比較情報は一概には言えませんが、多くの場合、変動金利はメガバンクと同等か若干高い水準、固定金利も市場金利を反映した設定となっています。
全期間固定金利型(フラット35)の金利動向
全期間固定金利型の代表格である「フラット35」は、2026年7月資金受取分(新機構団信付き、融資率9割以下、借入期間21年以上35年以下)で最も多い金利が年3.140%となっています (参考)。これは前月から横ばい圏ではあるものの、依然として3%を超える高水準です。長期金利の上昇トレンドが強く影響しています。
2. 現在の金利市場のトレンド(日銀の動向、債券市場の影響など)
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日本の金利市場は、日本銀行の金融政策の正常化と、それに伴う債券市場の動きによって大きく変動しています。
日本銀行の金融政策動向
日本銀行は、2024年3月のマイナス金利政策解除を皮切りに、段階的に金融正常化を進めています。特に、2026年6月の金融政策決定会合では、政策金利を0.75%から1.00%へと引き上げました。これは1995年9月以来、約31年ぶりの高水準です。日銀の利上げは、賃金上昇と物価の好循環が進んでいることを背景としており、今後も0.25%刻みの緩やかな利上げを継続すると見られています。
債券市場の影響(長期金利の動向)
住宅ローンの固定金利は、長期金利(特に10年物国債の利回り)の動向に大きく影響されます。2026年7月には、日本の長期金利が一時2.81%を記録し、これは1996年以来約30年ぶりの高水準です (参考)。
長期金利上昇の背景には、世界的な物価高(インフレ)、政府の積極財政による国債増発懸念、そして日銀の金融引き締めへの対応への思惑などが挙げられます。長期金利が上昇すると、金融機関の資金調達コストが上がり、結果として固定金利型住宅ローン金利も引き上げられる傾向にあります。
変動金利と固定金利の金利差は、日銀の利上げにより変動金利が上昇する一方、固定金利も高水準を維持しているため、依然として過去最大級の水準が続いています。
3. 【今後の予測】今後金利はどのように推移するか(変動・固定それぞれの見通し)
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現在の金利市場のトレンドと日銀の金融政策動向を踏まえると、今後も金利は上昇傾向で推移すると予測されます。
変動金利の見通し
変動金利は、日銀の政策金利である短期金利に直接影響を受けます。日銀は今後も緩やかな利上げを継続すると見られており、市場では年内に政策金利が1.25%へ、さらに2027年前半には1.75%程度まで引き上げられる可能性が高いと予測されています。
これに伴い、住宅ローンの変動金利も段階的に上昇していくでしょう。2026年8月から11月の間に、多くの銀行が年0.25%程度の金利を引き上げていくと予想されています。例えば、当初0.95%で借り入れた変動金利が1.95%まで上昇した場合、4,000万円を35年返済で借り入れたケースでは、毎月の返済額が5年ルール適用後、約11.2万円から約13.4万円に急増する試算もあります。変動金利の「5年ルール」や「125%ルール」は急激な返済額の増加を抑制しますが、その間も利息負担は増え続け、将来的にまとめて返済額が増える点には注意が必要です。
固定金利の見通し
固定金利は、長期金利(10年物国債利回り)に連動して決まります。世界的なインフレの継続や日銀の金融正常化路線、そして政府の財政状況への懸念などから、長期金利は今後も高止まり、あるいはさらに上昇する可能性が高いと予測されています。
「フラット35」の金利が既に3%台に突入していることからもわかるように、固定金利は全体的に高水準で推移し続けるでしょう。新規借り入れを検討している人にとっては、固定金利を選ぶことによる毎月の返済額の安定性は魅力ですが、変動金利と比較すると依然として高い金利水準となる見込みです。
4. これから住宅ローンを組む人・見直しを検討している人への具体的なアドバイス
- 【誰向け?】住宅購入を考えているすべての人、現在住宅ローンを返済中で金利リスクに不安を感じている人
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金利上昇局面においては、安易な選択は将来の家計に大きな負担をもたらす可能性があります。以下の具体的なアドバイスを参考に、慎重な検討を進めてください。
自身のリスク許容度とライフプランを再確認する
変動金利と固定金利にはそれぞれメリット・デメリットがあります。変動金利は当初の金利が低い魅力がある反面、将来の金利上昇リスクを抱えます。一方、固定金利は金利変動リスクがない安心感がありますが、変動金利よりも金利水準が高い傾向にあります。ご自身の収入や資産状況、将来のライフイベント(教育費、老後資金など)を踏まえ、どの程度の金利変動リスクなら許容できるのかを明確にしましょう。
家計のストレステストを実施する
もし変動金利を選択する場合、金利が仮に1%や2%上昇した場合に、毎月の返済額がどれくらい増えるかをシミュレーションし、家計が耐えられるかを確認する「ストレステスト」は非常に重要です。余裕を持った返済計画を立てるためにも、金利が上がった際の返済額増加分を貯蓄できるか、他の支出を削れるかなどを具体的に検討しましょう。
繰上返済や借り換えの検討
現在の変動金利型住宅ローンを返済中で金利上昇に不安を感じている方は、一部繰上返済により元金を減らすことで、将来の利息負担を軽減できます。また、固定金利への借り換えも選択肢の一つですが、現在の固定金利は高水準であるため、借り換えの諸費用を含めたトータルコストでメリットがあるかを慎重に判断する必要があります。
融資実行時の金利に注意する
住宅ローンの適用金利は、申込時ではなく融資実行時の金利が適用されるのが一般的です。注文住宅などで契約から引き渡しまで期間が空く場合、その間に金利が上昇するリスクがあるため、資金計画にはゆとりを持たせることが重要です。
団信(団体信用生命保険)や諸費用も考慮する
金利だけでなく、団体信用生命保険の保障内容の充実度や、保証料、事務手数料などの諸費用も、住宅ローン選びの重要なポイントです。金利上乗せで8大疾病保障などが付帯する商品もあるため、保障内容とコストのバランスも比較検討しましょう。
専門家への相談を積極的に活用する
金利動向の予測やご自身の状況に合わせた最適な住宅ローン選びは、非常に複雑です。信頼できる金融機関の担当者や、住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、客観的なアドバイスを得ることを強くお勧めします。