2026年6月現在、日本の住宅ローン金利は歴史的な転換期を迎えています。日本銀行は6月15〜16日の金融政策決定会合で、政策金利を1.0%へ引き上げる追加利上げを決定しました。これにより、変動金利型の住宅ローンも今後上昇する可能性が高まっています。一方で、固定金利型は長期金利の上昇を受け、すでに過去最高水準を更新し続けており、6月はフラット35を含め軒並み引き上げとなりました。変動金利と固定金利の金利差は拡大傾向にあり、今後の金利動向を注視し、自身の家計状況とリスク許容度に応じた慎重な住宅ローン選びが求められます。
1. 主要銀行(ネット銀行、メガバンク、地方銀行など)の最新金利(変動・固定)の比較・特徴
- 【誰向け?】これから住宅ローンを組むことを検討している方、現在のローン金利タイプと他行の金利を比較したい方。
- 【影響度】★★★★★
- 【今すぐできる対策】各金融機関の公式サイトで最新金利を確認し、複数の銀行で仮審査を受けて、自身の条件での適用金利を把握しましょう。
2026年6月時点における主要金融機関の住宅ローン金利は、変動金利と固定金利で異なる動きを見せています。変動金利は多くのメガバンクで据え置かれた一方で、固定金利は長期金利の上昇を背景に軒並み引き上げられました。特にフラット35は大幅な上昇を記録しています。
主要銀行の変動金利(2026年6月時点、新規借入・最優遇金利)
変動金利は、主要メガバンクでは概ね0.9%台~1.3%台で推移していますが、多くの銀行で先月からの据え置きが目立ちました。これは、日銀の6月の利上げ決定が月半ばであったため、多くの銀行で適用金利への反映が翌月以降になる見込みがあるためと考えられます。
- 三菱UFJ銀行: 0.945%(ネット優遇プラン)
- 三井住友銀行: 1.275%(WEB完結型)
- みずほ銀行: 1.025%(全期間重視プラン)
- りそな銀行: 0.950%(融資手数料型)
- 住信SBIネット銀行: 0.950%(WEB申込コース)
- auじぶん銀行: 1.134%(全期間引下げプラン)
- PayPay銀行: 0.850%(変動金利/全期間引下型)
(※これらの金利は最優遇金利であり、適用には審査があります。また、金融機関や商品によって条件が異なります。)
主要銀行の固定金利(2026年6月時点、新規借入・最優遇金利)
固定金利は長期金利の上昇に連動し、10年固定型を中心に多くの銀行で引き上げが続いています。特にフラット35は、前月比で年0.50%の上昇と大きな上げ幅となりました。
- 三菱UFJ銀行(10年固定): 3.27%(前月比+0.12%)
- 三井住友銀行(10年固定): 3.50%(前月比+0.25%)
- みずほ銀行(10年固定): 3.25%(前月比+0.30%)
- りそな銀行(10年固定): 3.745%(前月比+0.31%)
- フラット35(買取型、21年~35年、団信あり): 3.06%(前月比+0.35%)
(※これらの金利は最優遇金利であり、適用には審査があります。また、金融機関や商品によって条件が異なります。)
2. 現在の金利市場のトレンド(日銀の動向、債券市場の影響など)
- 【誰向け?】住宅ローンの金利がなぜ変動するのか、その背景にある経済情勢を理解したい方。
- 【影響度】★★★★★
- 【今すぐできる対策】日銀の金融政策決定会合の結果や市場の動向に関するニュースを定期的にチェックしましょう。
日本の金利市場は、日本銀行の金融政策の転換により、歴史的な変化の渦中にあります。2024年3月のマイナス金利政策解除以降、日銀は複数回の追加利上げを実施し、2026年6月15〜16日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げることを決定しました。これは1995年以来約31年ぶりの高水準です。
この政策金利の引き上げは、主に変動金利型住宅ローンの基準となる短期プライムレートに影響を与えます。実際に、メガバンクは日銀の利上げを受けて、普通預金金利と短期プライムレートの引き上げを発表しました。これにより、これまで低水準で推移してきた変動金利も上昇圧力を受けています。
一方、固定金利型住宅ローンに影響を与えるのは、主に長期金利(10年物国債利回り)です。長期金利は日銀の金融政策の方向性や市場のインフレ期待を反映し、2023年頃から上昇傾向にあります。2026年5月には一時2.8%に達し、1997年以来29年ぶりの高水準を記録しました。この長期金利の上昇が、固定金利型住宅ローンの相次ぐ引き上げに直結しています。日銀は国債買い入れの減額計画についても見直しを進めており、これも長期金利の変動要因となります。
3. 【今後の予測】今後金利はどのように推移するか(変動・固定それぞれの見通し)
- 【誰向け?】将来の金利上昇リスクを懸念している方、変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか迷っている方。
- 【影響度】★★★★★
- 【今すぐできる対策】自身のライフプランと金利上昇リスクへの許容度を照らし合わせ、固定金利への借り換えや繰り上げ返済などの対策を検討しましょう。
日銀の追加利上げと市場の動向を踏まえると、今後の住宅ローン金利は変動金利・固定金利ともに上昇基調が続く可能性が高いと予測されます。
変動金利の見通し
日銀の政策金利引き上げを受け、変動金利は今後上昇する見通しです。多くの金融機関では、2026年10月に変動金利の基準金利を年0.25%程度引き上げると予想されており、既存の借り手への返済額反映は2027年1月以降になる可能性が高いでしょう。一部のエコノミストは、2026年の夏頃には変動金利が1.5%前後に上昇し、政府のシナリオ通りに利上げが続けば、2028年には2%台に達する可能性も指摘しています。
ただし、変動金利には「5年ルール」(毎月の返済額は5年間変わらない)や「125%ルール」(金利が上がっても毎月返済額の上限は125%まで)といった仕組みを持つ商品もあります。これらのルールは急激な返済額の上昇を緩和する効果がありますが、未払い利息が発生するリスクや、問題の先送りに過ぎないという側面も理解しておく必要があります。
固定金利の見通し
固定金利のベースとなる長期金利は、今後も緩やかに上昇を続けると予測されています。公益財団法人日本経済研究センターの調査(2026年6月)によると、長期金利は2026年度平均で2.64%程度、2027年度平均で2.75%程度になると予測されており、固定金利型住宅ローンも上昇が続くことが見込まれます。既に6月には多くの固定金利が過去最高水準を更新しており、今後もこのトレンドは継続するでしょう。
固定金利は変動金利に先行して上昇する傾向があるため、金利上昇リスクを確実に避けたい場合は、現在の水準での固定化を検討する時期に来ているかもしれません。
4. これから住宅ローンを組む人・見直しを検討している人への具体的なアドバイス
- 【誰向け?】住宅ローン契約を控えている方、または現在の住宅ローンの見直しを考えているすべての方。
- 【影響度】★★★★★
- 【今すぐできる対策】金利タイプを決定する前に、現在の家計状況を詳細に分析し、金利上昇時の返済シミュレーションを必ず行いましょう。
金利上昇局面においては、住宅ローン選びと見直しがこれまで以上に重要になります。以下の点を踏まえ、慎重な判断を行いましょう。
金利タイプ選択のポイント
変動金利型を選ぶ場合
変動金利型は、現時点では固定金利型よりも低い金利が適用される傾向にあります。しかし、将来の金利上昇リスクを考慮する必要があります。以下のような方に適しています。
- 【誰向け?】共働きなどで収入が安定しており、今後も家計に一定の余裕を見込める方、または繰り上げ返済を積極的に行い、元金を早く減らしたいと考えている方。
- 【影響度】★★★★☆
- 【今すぐできる対策】金利が上昇した場合の毎月返済額を試算し、その負担に耐えられるか確認しましょう。また、余裕資金を確保し、金利上昇時に備えていつでも繰り上げ返済ができる準備をしておきましょう。
変動金利を選ぶ際は、金利上昇時の返済負担を具体的に把握しておくことが大切です。例えば、借入額3,000万円・返済期間35年で金利0.5%から1.0%へ上昇すると、毎月返済額は約7.6万円から約8.5万円へ増加し、家計への負担は年間10万円を超える規模になります。
固定金利型を選ぶ場合
固定金利型は、借入時の金利が完済まで変わらないため、将来の金利変動リスクを完全に排除できます。毎月の返済額が一定のため、ライフプランが立てやすいというメリットがあります。以下のような方に適しています。
- 【誰向け?】収入が安定しにくい自営業・フリーランスの方、育児・介護などで今後の支出増が見込まれる方、または「毎月の返済額が変わらないことで安心感を得たい」という方。
- 【影響度】★★★★★
- 【今すぐできる対策】変動金利との金利差を「将来の金利上昇リスクへの保険料」と捉え、長期的な視点で家計への影響を検討しましょう。金利上昇が続く現状では、固定金利を検討するなら早めの決断が有利になる可能性があります。
固定金利は変動金利に比べて当初の金利が高めに設定される傾向がありますが、返済計画の確実性は大きな価値があります。
ミックス型(変動金利と固定金利の組み合わせ)も検討
金利タイプを一つに絞りきれない場合は、ミックス型も有効な選択肢です。借入額を変動型と固定型に分けて借り入れることで、それぞれのメリットとデメリットをバランス良く享受することができます。
住宅ローンの見直しを検討している人へのアドバイス
すでに住宅ローンを組んでいる方も、現在の金利状況に合わせて見直しを検討することが重要です。
- 【誰向け?】現在住宅ローンを返済中で、金利タイプや返済計画の見直しを考えている方。
- 【影響度】★★★★☆
- 【今すぐできる対策】現在のローンの金利タイプ、残高、残期間を確認し、他行への借り換えや繰り上げ返済の効果をシミュレーションしてみましょう。
変動金利型を利用している方は、日銀の追加利上げが適用されるタイミング(多くの銀行で2026年10月以降、返済額反映は2027年1月以降)に備え、返済額の増加に耐えられるか確認が必要です。必要であれば、一部を固定金利に借り換えたり、繰り上げ返済で元金を減らしたりすることも有効な対策となります。また、団信(団体信用生命保険)の保障内容も合わせて見直すことをおすすめします。
いずれのケースにおいても、金利だけでなく、事務手数料や保証料なども含めた総返済額で比較検討することが大切です。複数の金融機関から情報を取り寄せ、専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談しながら、ご自身のライフプランに合った最適な住宅ローンを選択してください。